京都府内でエボラ出血熱疑似症患者が発生した場合に備え、府が保健所ごとに訓練をしている。15日には福知山市篠尾新町の府福知山総合庁舎で北部の合同訓練があった。中丹西、中丹東、丹後保健所が主体となり、北部の消防署、警察署からも見学参加して約50人で研修を積んだ。
■搬送や消毒手順など確認■
西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱は、症状が出ている患者の体液(血液、吐物など)や、体液で汚染された衣類、床などに十分な防護をせずに触れた際、粘膜や傷口からウイルスが侵入することで感染する。一方で症状のない患者からは感染しないとされている。流行国から帰国した人は健康監視対象者として、21日間は毎日2回、帰国した空港の検疫所に体温と健康状態を電話で知らせることになっている。
福知山での訓練は、ギニアに出張して5日に帰国した男性が、15日朝から38度の熱が出たとの設定。電話を受けた検疫所から府へ連絡が入って以降の手順を演習した。
男性は自分で医療機関へ出向いたりせず、自宅で待機。そこへ防護服を2重に着込んだ医師が訪れ、診察をした。ビニールシートを張り巡らすなど防護対策をした特別な車両で府立医大病院へ搬送し、搬送後は車両やストレッチャーを消毒する手順を確認。防護服や手袋などを脱ぐ際の注意点もチェックした。
中丹西保健所の井戸田望所長は、様々な感染症が「国境を越えてやすやすと入って来る」と話し、万が一への備えの大切さを強調していた。
写真=感染拡大させないように対策した車両で患者を搬送
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