福知山まちづくり会社(芦田卓社長)は、管理運営する福知山市蛇ケ端の福知山城周辺にぎわい創出施設・ゆらのガーデンの新規出店者を募っている。今夏の8月豪雨により7店舗すべてが浸水し、4店舗が撤退を決めたためで、浸水に強い建物構造に改修し、賃貸料を軽減するという。営業を継続する店舗から近く工事に入り、来年4月に全店舗の営業再開をめざす。
■2年続きの水害で4店撤退■
ゆらのガーデンは、中心市街地活性化の拠点として市民プール跡地に12年春にオープンした。和洋菓子店、カフェなどが並び、城との相乗効果で今夏までに府内外から約51万人が訪れた。府が府北部を対象にする観光施策「海の京都」の中で、市は「お城とスイーツを巡るまちなか観光」をテーマに掲げており、その中核施設となっている。
しかし、昨秋の台風18号来襲時には近くを流れる法川が氾濫し、4店舗が土間上10センチ〜60センチ浸水して一部の店舗が休業を余儀なくされた。その後1年足らずの8月豪雨では全7店舗が土間上1・3メートル〜2メートルそれぞれ浸水した。
撤退する店舗は「市の活性化に寄与するためにも経営を続けたいとの思いはあったが、資金繰りが難しく、苦渋の選択をした」という。
■水に強い建物に改修、賃貸料を2割軽減■
営業再開に向けて、建物や空調設備は、まちづくり会社が改修工事をするが、厨房機器、テーブル、ショーケースなどは賃貸契約を結ぶ個人負担となる。
建物は内外装とも木を使った店舗が多かったが、改修工事では、床をコンクリートの打ちっ放しやタイル張りにし、さらに、外内壁に防水性のあるものを採用するなど水に強い造りにする。店舗の賃貸料は従来より2割軽減。募集する店舗(83・7平方メートル〜148・1平方メートル)の場合、月額10万5千円−17万4千円の設定となる。契約期間は5年間。
募集するのは飲食や物販をする店舗。今後申し込みがあれば、随時審査、選考を進め、年内にも出店者を決める。店舗デザインや経営計画を専門家と打ち合わせたうえで、年明けから改修工事に入る。
すでに出店についてスイーツや喫茶など合計6件(市内5件、市外1件)の問い合わせがあり、うち1件は申し込みを済ませている。
■福知山活性化のシンボルとして■
足立秀明常務は、治水対策を行政に強く要望しており、今後調整池の整備などが進むと聞いているとしたうえで、「ゆらのガーデンは福知山の活性化のシンボルで、度重なる災害から力強く復興を果たしていきたい。まちづくりに関心があり、しっかりと集客できる魅力ある店づくりに挑戦する方を求めます」と話している。
募集要項は同社、市商工振興課、福知山商工会議所に置いている。問い合わせはまちづくり会社=電話0773(23)0266=へ。
写真=被災後、4カ月近くになったいまも休業となっているゆらのガーデン
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