11月23日に開かれた福知山マラソンで、愛知県の60代の男性ランナーがレース中に一時心肺停止の状態になり、福知山市民病院に搬送されていたことが分かった。現場では、近くにいた別のランナーや救護係員らが救命措置を行い、男性の意識が回復。連携した適切な処置が命を救った。男性は現在も入院中だが、快方に向かっているという。
■男性倒れ、通りかかった走者2人が迅速処置■
フルマラソンに参加していた男性は、35キロ地点(筈巻)付近で急性心筋梗塞により倒れた。通りかかったランナー2人が、すぐに大会関係者に伝えるとともに、胸骨圧迫など心肺蘇生の処置をした。間もなく、救急救命士のバイク隊が到着。AED(自動体外式除細動器)などでの救命措置をとり、男性はうっすらと意識が戻り、「手を握って」という声かけに反応できるまでになったという。
ちょうどその頃、緊急時に備え医師を乗せてコース上で待機していたドクターカーが現場に駆けつけ、男性を市民病院に搬送。搭乗医師が搬送中に詳しい容態を病院に伝えることができたため、到着後に各検査や治療を迅速に行うことができた。
ドクターカーに乗っていた福知山市民病院救急救命センターの深田良一医師(51)は「あと数分処置が遅れていれば、どうなっていたか分からない。連携して素早い動きがとれたことで、男性の命を救えたのだと思います」と胸をなでおろす。
また「心肺蘇生をしてくれたランナー2人は、それぞれ医療と消防の関係者だったと、あとから聞きました。レースに復帰されたため、どなたかは分かりませんが、本当に感謝しています」と話していた。
福知山マラソン実行委員会事務局を務めた市スポーツ振興課は「第12回大会で、ランナー2人が亡くなったことを受け、次の回からバイク隊にAEDを持たせるなど、医療体制を強化した。それが今回機能し、男性の命が助かってよかった」と喜んでいる。
写真=AEDを手に当時の様子を説明する深田医師
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