やっぱり速かった。招待選手の川内優輝選手(27)=埼玉県庁=は別格の走りを見せて沿道をわかせた。スタート直後から独走状態となり、2キロ地点で早くも後続が見えなくなる。最初の5キロを手元時計で14分56秒。2時間21分41秒の大会記録はおろか、2時間8分14秒の自己ベストさえ上回るペースで駆け出した。
沿道を埋めた市民は、カメラや携帯を手にして先頭ランナーの通過を待ち、先導する時計車が見えるとランナーの姿を確認する前から「川内さんが来た!」と歓声。復興の街を力強い足取りで走る川内選手の姿を、目とファインダーに焼き付けていた。
市街地を抜けて由良川右岸に出てコースの見晴らしが良くなっても、後続選手の姿は見えない。レース前に「2時間10分から12分台で」と目標を話していたが、20キロ地点では2時間9分台をうかがう1時間1分33秒で通過した。
折り返し付近から徐々にペースが落ちてきたものの、30キロ地点で1時間33分28秒。目標タイムクリアには十分なペースを保った。
川内選手にとって計算外だったのは、ラスト1キロ余りのきつい上り坂。「予想以上に足が動かなかった。最後の上りを気持ち良く走れるぐらいの足を残さなければ強い選手だとは言えない」と振り返った。
これまでの大会記録を8分42秒縮める2時間12分59秒での優勝。2位とは14分2秒の大差だった。
「福知山のコースが(2時間)20分台ではなく、記録が出せるコースだと証明できた。これでまた福知山マラソンの人気が高まればいいなと思う」。福知山を元気づけるために参加した目的を達成し、川内選手は笑顔いっぱいでインタビューに答えた。
写真=声援を受け市街地を駆ける川内選手
写真=声援を受け市街地を駆ける川内選手
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