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両丹日日新聞2014年11月20日のニュース

8月豪雨受けポンプ増強 国・府・市が5年で短期対策

 福知山市を襲った8月豪雨災害を受けて国、府、福知山市の3者でつくる「由良川流域(福知山市域)における総合的な治水対策協議会」の第2回会合が20日、福知山市役所で開かれた。豪雨による内水で市街地を中心に発生した床上浸水被害をおおむね解消するための短期対策を5年程度で取り組むことを決めた。

 協議会は、8月16、17両日で福知山に観測史上最高の335ミリの記録的な降雨があり、市街地を中心にした局地的、集中的で激甚な豪雨が床上浸水1385戸の被害を招いた主因と分析。その水量は由良川支流の弘法川、法川にある排水ポンプや河川流下能力などの内水処理能力を超えた。

 対策として、国管理の3カ所の排水機場の能力を現行から1・5倍の毎秒40トンにし、市管理の和久市ポンプ場も増強、それぞれ耐水化を図る▽氾濫した弘法川と法川の改修促進▽貯留施設の調節池、調整池の設置、ため池改良などで現行から5倍の約40万立方メートルを確保−などを掲げた。

 このうえ各戸の貯留浸透施設、開発に伴う調整池設置の促進なども併せて行うことで「8月豪雨程度の降雨が発生した場合、床上浸水がおおむね解消される」とした。

 事業主体などの役割分担の協議を進めており、来年度からの着手を目指し、それぞれ予算要求に向けての準備に着手することで合意した。

■流域全体で降ればフル稼働できず■

 8月豪雨は、福知山に局地的に降り、由良川本流にはまだ余裕があった。今後同様の雨なら、これらの短期対策が効果を発揮するが、由良川流域全体で豪雨となった場合にはポンプを増強してもフル稼働できない場合が見込まれる。

 黒川純一良・国交省近畿整備局河川部長は「由良川本流に水を流せる時には特効薬になるが、流域全体で雨が降った時にはポンプをフル稼働できないこともありうる」と理解を求めた。

 短期対策全般については「全国的にも極めて高い水準を目指している。すぐに始めなければ」と力を込めた。

    

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