福知山市内で8月に起きた豪雨災害で、自宅が床上浸水するなどの被害を受けた児童が多く所属する学童野球の昭和ＧＵＴＳ（ガッツ）が、22日から宇治市で開催のろうきん旗マクドナルドカップみどりが丘学童軟式野球大会に出場する。チームは練習場も水がつき、今も使えない状態にあるが、様々な場所で練習に励み、勝つことへの意欲を失うことなく本番に臨む。

　昭和は7月の第44回全福知山学童野球大会で優勝した。05年にチーム統合で昭和ＧＵＴＳとなってから初めてで、選手や指導者、見守る家族らが一丸となって栄冠をものにした。

　その後も次の大会に向け練習を続けていたが、練習場の昭和小学校グラウンドが8月17日の豪雨で浸水。泥がたまるなどして使えなくなり、グラウンドの倉庫に置いていた野球道具も水につかり多くが使用不能となった。

　このため、チームは今も市内の別のグラウンドを使ったり、綾部、舞鶴市にも遠出して練習に励んでいる。またメンバーの中には自宅が床上・床下浸水した児童もいて、後片づけに追われるなど、しばらくは野球に集中できなかったが、学校や家族らが応援。環境づくりを整えた。

　豪雨で自宅が床上浸水した昭和の主将、福田拳士君（12）＝昭和小6年＝は「水害の時は大変だったけど、いろんな場所で練習し、野球ができるありがたみが分かった。大会では悔いのない試合をしたい」と意気込む。

　三森健司監督（36）は「多くのみなさんのおかげでこれまで練習を続けることができた。協力していただいた人たちのために、感謝の気持ちを持って大会に臨みたい。水害から復興する元気な福知山を佐賀とともに見せたい」と話している。

　ろうきん旗マクドナルドカップには府内各地から32チームが出場する。福知山市内からは全福知山大会で準優勝した佐賀ドリームズも出る。


写真＝本番に向け気勢をあげる昭和ＧＵＴＳの選手たち