市民のアイデアをまちづくりに反映するため、市が募集していた今年度の「市民アイデア買い取り事業」の審査結果が発表された。最優秀賞には、公手敏裕さん（38）＝厚東町＝の「光のトンネルを旅しよう−ＫＴＲ鉄ナリエの旅」が選ばれた。優秀、最優秀賞事業は来年度に実施できるよう予算化する。

　アイデア買い取り事業は、市民から寄せられた中から優れたものを買い取り、事業化するもの。昨年度から実施していて今回は7歳から98歳の129人、9団体から計217件が寄せられ、市民や松山正治市長らが審査した。

　その結果、最優秀賞1件、優秀賞4件を含む上位20件を、買い取り対象に決定した。17日には市役所で表彰式があり、公手さんと優秀賞の2人が出席。松山市長から表彰状を受け取った。

　また受賞者たちが、自分のアイデアについて説明する時間もあり、公手さんは「北近畿タンゴ鉄道（ＫＴＲ）宮福線にはトンネルが多く、車窓からの風景が楽しめない−というのを逆手に取った。トンネルの中を電飾で飾り、イルミネーションを作ることで、大人も子どもも楽しめると思った」などと解説した。

　松山市長は「市民からたくさんのアイデアを寄せていただき、本当にありがたい。買い取り対象に選ばれたものは、どれが最優秀になってもおかしくないほど、優れたものばかりだった。みなさんの知恵は、出来るだけ事業化していきたい」と伝えていた。

　公手さんは、「子育て応援−ふくちやま『イクマチ』プロジェクト」で、優秀賞も獲得した。ほか優秀賞に選ばれたのは、山田晴美さんの「若い人たちの選挙に参加」▽大木清人さんの「福知山−千人のお茶会事業」▽佐々木敬之さんの「世代をつなぐふれあい給食活動」だった。

　公手さんは「アイデアに自信はあったけど、まさか最優秀賞と優秀賞に選ばれるとは」と驚いていた。

写真＝最優秀賞などに選ばれた公手さん（右）ら