日本の伝統文化を守り、新しいアートを生み出す漆。希少な産地となっている福知山市夜久野町で、若い人たちが力を寄せて復興への取り組みを進めている。15、16日には夜久野高原、道の駅農匠の郷でNPO法人丹波漆による「うえるかむまつり」があり、全国から漆関係者が集まって若者たちの話を聞く。「市民のみなさんにも、頑張る姿を一緒に見てほしい」と参加を呼びかけている。
■15日に取り組みなど報告■
古くから塗料や接着剤など様々な用途で使われてきた漆は、今も家庭の器から国宝・重文クラスの文化財まで、その修繕に欠かせない。新しい作品を生み出す上でも、質の良い国産漆、特に上質な夜久野漆を守り育てることが大切。
そこで丹波漆(岡本嘉明理事長)は、漆の採取量を増やすための木の植栽、技術を次代へつなぐための後継者育成に力を入れてきた。活動は徐々に実を結び、昨春は青年後継者の竹内耕祐さんが夜久野に移住。市が京都美術工芸大学とインターンシップ協定を結び、漆工芸を学ぶ学生たちが、漆の植栽地管理や漆精製実習に通うようにもなった。
今年の「うえるかむまつり」では、こうした若者の姿をクローズアップ。初日午後1時から夜久野荘を会場に「漆の未来を語る」座談会を行い、初めに京都美術工芸大学の2回生たちが植栽活動などについて発表する。
引き続き1時50分からは学生と竹内さん、新しい利用方法の開発にも積極的な若い漆問屋の佐藤貴彦さんをパネラー、京都市産業技術研究所理事の大藪泰・研究室長をコーディネーターにパネルディスカッションをする。参加費500円。
■16日は植樹祭、記念品作りも■
16日は植樹祭で、午前9時30分から市やくの木と漆の館で色漆を使った記念キーホルダー作り、11時から漆の苗木植樹をする。参加費はキーホルダー作りが一般1千円、学生以下500円で植樹が一般1千円、小学生以下無料。
いずれも13日まで木と漆の館、電話0773(38)9226で受け付けている。
写真=漆工芸を学ぶ学生たちが、漆の植栽地で草刈りなど管理作業を実際に体験している(昨秋に農匠の郷で撮影)
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