福知山市問屋町にある市公設地方卸売市場の管理棟1階に、障害者専門の歯科診療施設「京都歯科サービスセンター北部診療所」が設けられ、12日にプレオープンして診療を開始する。市や府、近隣6市町と連携し、一般社団法人京都府歯科医師会が設置。センター担当理事の正木文浩さんは「府北部の障害がある人に、積極的に利用してほしい」と呼びかけている。

　府北部に居住し、一般の歯科医院での治療が困難な障害のある人は、これまで京丹後市の久美浜病院か、京都市中京区の同センター中央診療所まで行く必要があった。利用者らの「利便性の向上を」という声を受け、北部診療所を福知山に設けることになった。

　設置場所は、卸売市場管理棟1階の空きスペースで、市が無償で貸与。延べ床面積は147平方メートルあり、診療室と待合室は仕切り無しで配置。ほかに技師消毒室やＸ線室も完備している。

　障害者の治療について専門の教育を受けた歯科医師2人のほか、歯科衛生士5人の7人態勢で対応。一般歯科と同様の診療を受けることができる。

　全身麻酔を施しての治療はしないが、知的障害のある人や自閉症の人、車いす利用者らが安全に治療を受けられるよう、診療台は特別仕様になっているという。

　また機械音を患者から遮断するために、モニターとヘッドホン付きで、好きなＤＶＤを観賞したり、音楽を聴いたりしながら、リラックスした状態で治療を受けられるようにしている。

　オープニングセレモニーを26日午前10時30分から現地で行い、正式なスタートとなる。診療は毎週水、木曜日の午後1時から4時まで。完全予約制。


写真＝12日から診療が始まる「京都歯科サービスセンター北部診療所」