府景観資産に登録されている福知山市三和町大原地区で、歩行者用地下道の整備や橋の架設といったハード面の事業が進められている。地下道や橋を造ることで、大原神社、産屋など点在する名所をつなぎ、観光客が安心して周遊できるようにするのが目的。地元では地域の魅力向上による集客と地域の活性化に期待を寄せている。
地区には歴史的・文化的価値の高い大原神社や産屋のほか、秋葉山展望台など住民が選んだ8つの景観「大原八景」があるが、国道173号や川合川で分断されている。これらを見るには歩道のない国道を横断、通行するか、川の中の飛び石を渡ったりしなければならず、地元の人は観光客の交通事故や転落事故を心配し、以前から行政へ改善策を要望していた。
そこで、府は国道沿いに駐車スペースを設ける「うぶやの里ロードパーク」から、国道の下を通って川合川沿いの産屋に行けるようにと、延長約80メートル、通路幅約3メートルの歩行者用地下道の整備を進めている。
勾配は緩やかで、滑り止め加工をしたほか、車いすを使う際、一気に加速しないように途中で平らにしている部分もある。また、ロードパークも整備し、大型バス3台と普通車5台が止められる。
■年内に供用開始■
総事業費は約1億円。地元自治会、地域活性化グループ・大原うぶやの里活性化推進協議会が一体となって事業を進める「地域主導型公共事業」として実施。府中丹西土木事務所によると、地下道は年内に供用開始する予定。
また、市は「大原地区産屋周辺整備事業」として、産屋周辺と集落の間を流れる川合川をまたぐ橋の架設工事をする。これによって飛び石を渡る必要がなくなる。完成は来年度の予定。産屋周辺の散策路整備も行う。
地元では「20年以上前から要望してきたことがやっと実現でき、最高の喜び。点在する大原の観光名所を結びつけ、『美しき命の源流うぶやの里大原』の景観の魅力を発信し、観光客の増大を図りたい」としている。
事業の完了後に、祝賀会を予定している。
写真=年内に通れるようにする地下道
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