かつて妊婦が出産前後に7日間こもったとされる、福知山市三和町大原の産屋(うぶや)で、茅葺(かやぶ)き屋根の葺き替え作業が進められている。屋根に穴が開くなどしたため、05年以来10年ぶりに葺き替えることになった。
産屋は、安産の神様として知られる大原神社下を流れる川合川沿いにある。茅葺き切妻造りの屋根をそのまま地面に伏せたような建物。広さ3畳ほどで、府の有形民俗文化財に指定されている。同神社の林秀俊宮司(58)は「神様に見守られながら出産をし、産後も産屋にいる間だけは農作業や家事から解放され、産婦の体を休める場になっていた」と話し、大正初期までお産の場として、産後の安静の場としては1948年(昭和23年)ごろまで使われていたという。
葺き替え作業は美山茅葺=南丹市美山町=の常務取締役で、三和町菟原下一出身の駒宏樹さん(33)、京丹後市出身の大下倉優さん(26)が担当。大原神社絵馬殿の屋根に使われているのと同じ茅を載せ、屋根ばさみで切りそろえるなど専用の道具を使って葺いている。
駒さんによると、完成は今週いっぱいかかるという。
写真=葺き替え作業をする駒さん(手前)と大下倉さん
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