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両丹日日新聞2014年10月15日のニュース

「ここで暮らす」。そう決めた 水害から1年迎えた戸田

戸田の復興祭 昨年9月の台風18号災害から1年余り。空き家も含め110戸が浸水被害を受けた福知山市戸田地区で11日、復興祭が開かれた。地区の浸水の様子を撮影した写真をスライド上映。集まった住民が1年前を振り返り、防災意識をより高めた。

 スライドに使った写真は福山義朗自治会長(66)が撮影した。昨年9月16日午前4時25分ごろから午後1時15分ごろまで、水かさが増して郵便ポスト、軽トラックが水没していく様子、地域の浸水状況などを撮った。このほか、ボランティア作業など別の自治会役員がカメラに収めた写真もある。

 復興祭は、平常時の生活にある程度戻れた節目として、実行委員会を組織して計画。浦島神社の秋祭りの宵宮に合わせて実施し、模擬店も出て親子連れらでにぎわった。

 福山自治会長は「スライド上映は、地域住民が浸水の様子を見ることで防災の意識を共有し、ボランティア活動の写真を見て、感謝の気持ちを思い出してもらいたかった」と話していた。
 
■家の中、まだ畳を敷かず■

 住民にとってはどんな1年だったか−。

 床上140センチ浸水した自宅で家族と暮らす会社員、岩見健児さん(42)は、「水害直後は現実のことのように思えませんでしたが、だんだん『えらいことだ』と実感してきました。遊びにいくこともなく、当時はひたすら後片付けをしていて気持ちに余裕がありませんでした。春が過ぎたころからでしょうか、暖かくなるにつれ、余裕が出てきたと思います」と振り返る。

 家の中はまだ畳を敷いておらず、「水害から1カ月後とほぼ変わっていません。家は築年数不詳で古く、建て直すかどうか、地域を出ていくかどうかなど、いろいろ迷っていました。けれど、付き合いもあり、ここで暮らすことにしました」と打ち明ける。

 自宅が、2004年10月は床上38センチ、1年前は床上83センチの浸水被害を受けた岩崎守さん(63)は「幼少のころ、母の背中におぶられ、近くの家の屋根にまたがって助かったが、家が流された記憶があります。床下をもっと乾かすように言われましたが、ムカデなど虫が家の中に入ってくるのも嫌なので昨年のうちに畳を敷きました。ただ、今後も(水害は)心配です」と、不安を口にしていた。


写真=大勢の人が集まった戸田の復興祭

    

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