愛媛県松山市などで開かれた天皇賜杯第69回全日本軟式野球大会で、京都府代表として出場した福知山市の社会人野球チーム、SECカーボンが優勝を果たした。同大会で京都府のチームが優勝するのは1956年以来58年ぶりで、SECが全国制覇したのは初めて。福知山の野球関係者たちも快挙を喜んでいる。
大会は12日から17日まで開催。全国から都道府県予選を勝ち上がったチームと開催地枠などの計57チームが出場し、トーナメント戦で優勝を目指した。
SECは1回戦、石川県のコマニーに3−0で勝ち好発進。2回戦で北海道(南)の三愛病院に3−2、3回戦では岡山県の品川リフトラクトリーズ岡山工場に2−1で競り勝った。
準々決勝は神奈川県の日立オートモティブシステムズ厚木事業所に5−3で勝利。準決勝は長野県の佐久総合病院を4−0で退けた。ここまで対戦したのは優勝経験チームや全国大会常連チームなど強豪ぞろいだった。
そして迎えた決勝は、前回大会で優勝した千葉県の京葉銀行と対戦。SECは4回に小寺宏明選手の本塁打で先制、芦田裕嗣投手は相手に三塁を踏ませない好投で完封し、1−0で悲願の優勝に輝いた。
優勝の瞬間、ベンチから全選手が飛び出し、監督を胴上げ。福知山からも多くの野球関係者らが応援に訪れ、歓喜に沸いた。最優秀選手には芦田投手、優秀選手には小寺外野手が選ばれた。
ひじを痛めながらも決勝で好投した芦田投手は「これが大会の最後と思い、全力で投げた。最高の投球ができました」と振り返る。山内一真主将は「素晴らしいメンバーと一緒に日本一になれてうれしい」と喜ぶ。
糸井基博監督は「今大会はけが人が多く、全員で戦うと誓い合って臨み、投手、野手が一戦ごとに力をつけ平常心で戦えた。スタンドの応援にも恵まれ、素晴らしい賜杯を持ち帰れた」と述べ、「福知山の豪雨で被災された方々に少しでも勇気と感動を与えられたのではないかと思います」と話している。
京都軟式野球連盟の松井博孝理事長(福知山市牧)は「投手、野手、ベンチが十二分に力を発揮し、監督の采配も見事だった。応援に駆けつけていただいた市野球協会のみなさんにも本当に感謝します」と話す。同連盟の川端厚男副会長(同大池坂町)は「最高のゲームで感激した。福知山を活性化してくれる」。また福知山市野球協会の福間誠一会長は「こんなにうれしいことはない。大きな力を与えてくれた」と喜びの声を伝えている。
写真=優勝の瞬間、選手たちが喜びを分かち合った(共同写真企画提供)
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