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両丹日日新聞2014年9月18日のニュース

福知山豪雨:ゆらのガーデン営業再開のめど立たず

浸水跡が残るゆらのガーデン 福知山市蛇ケ端の福知山城周辺にぎわい創出施設「ゆらのガーデン」は、8月豪雨から1カ月過ぎたいまも復旧工事に着手できず、営業再開のめどは立っていない。全7店舗が浸水被害に遭った。うち4店舗は昨秋の台風18号時も水につかっており、開店後わずか2年半の間に2度の被害とあって、関係者は「もうこりごり。いつ水が襲ってくるか分からない」と疲れの色を隠せない。

■2年連続で浸水被害■

 ゆらのガーデンは、中心市街地活性化の拠点として、市民プール跡地に12年春にオープンした。福知山まちづくり会社(芦田卓社長)が運営する。和洋菓子店やカフェなどが並び、城との相乗効果で他府県からの来場も多く、約51万人を集客していた。

 そばを流れる法川の氾濫を想定し、「市民プールの駐車場が水についた」ことを教訓に、内水対策として道路沿いの駐車場より約1メートル高い場所に芝生広場を造成し、店舗を配置していた。

 ところが、昨秋の台風18号水害の際は、頼りにしていた近くの国交省法川排水ポンプが、「由良川に強制排水を続ければ堤防決壊の恐れがある」と判断されて停止。土地が低い駐車場側の4店が、土間上10センチ−60センチ浸水した。再開まで約2カ月間かかり、この間、売り上げが途絶えた。

 今年の8月豪雨では、法川排水ポンプは、浸水前の16日夜から稼働したが、市街地で観測史上最大の24時間雨量303・5ミリという想定外の雨量で排水が追いつかなかった。被害は全7店舗に及び、土間上1メートル−2メートルまで水が来て、建物にくっきりと線が残っている。

 まちづくり会社が復旧工事をするのは建物のみで、店内のショーケースや菓子製造機、商品などは各店が再び用意する必要がある。

■昨秋の水害から再出発した矢先■
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 昨秋の浸水では再開を断念した店があった。空いた建物に和風甘味茶屋が入り、4月中旬にオープン。新たな来店客を開拓したいとの思いで、出店者協議会(家田哲士会長)が4月下旬に2周年記念イベントを開いたばかりだった。

 市が進めるスイーツのまちづくりにも欠かせない存在となっており、家田会長は「福知山の活性化に寄与したいというのは出店者の共通の思い。ただ、度重なる浸水への不安を拭い去ることはできず、ガーデンでの今後の経営をまだ決断できない人も多い」と話す。

 まちづくり会社の足立秀明常務は「まだ復旧工事の見積もりの段階。復旧後は、今までの癒やしの空間としての見栄えにこだわらず、水に強い建物へと見直す必要がある。ポンプの増強、貯水槽や調整池の設置などを行政にはお願いしたい」と話し、「何度もの設備投資が必要となり、各店の負担は大きいが、常連客も増えており、何とか頑張って再スタートしてほしい」と期待する。


写真上=建物に浸水の跡がくっきりと残るガーデン内の店舗
写真下=泥水に没した「ゆらのガーデン」一帯(8月17日)

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