福知山市内の市立小、中学校で1日、2学期の始業式が一斉に行われた。夏休み中の豪雨で昭和、大正、惇明など多くの学校の多数の児童が被災しており、浸水被害で教科書や済ませた宿題が水浸しになった児童もいる。つらい思いをした児童も多いが、久しぶりの友だちとの再会を喜び、2学期をスタートした。
■被災児童、友だちとの再会に笑顔■
福知山市北本町一区の昭和小学校では、市街地を通る由良川支流の弘法川の氾濫などで全校児童637人のうち、3割にあたる193人の住まいが浸水(床上111人、床下82人)被害にあった。
さらに学校施設も、グラウンド、駐車場など一帯に80センチほどの高さまで水がたまり、放課後児童クラブで使っている建物が床上浸水し、グラウンドにも土砂が入り、陥没部分がみられるなど全面が使えない状態になっている。
幸い校舎は浸水を免れたが、一時は孤立。水が引いたあとから、学校職員が手分けをして児童の家庭訪問を続け、被害状況を把握し、児童の健康状態も調査した。床上浸水家屋では片付けの手伝いもした。「夏休みの一研究で育てていた植木鉢のアサガオが流された」などと先生の顔を見て泣き出す児童もいたという。
「心をひとつにして
大きな力にしよう」
始業式は、教室で児童それぞれの健康調査を済ませたあと、通常より10分遅い午前9時から体育館で始まった。
整列した児童を前に加藤由美校長は児童宅や学校の被害状況を伝えたあと、「みなさんの大事な命は無事で、ほっとしました。こんな経験はもう二度とあってはならないことですが、思いもよらぬことがあります。だからこそ、この経験を無駄にしないで、相手の気持ちを思ったり、当たり前のことに感謝をしましょう。大変な時こそ、みんなの心をひとつにして、大きな力にしていきましょう」と語りかけた。
運動会は28日に予定していたが、30日に延期し、猪崎の市三段池公園多目的グラウンドで開く予定。6日に開く予定だった学校創立80周年記念式典は、延期(日は未定)することを決めた。
写真=加藤校長が全校児童を前に被害の状況などを伝えた(1日午前9時すぎ、昭和小で)
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