昨年の台風18号の悪夢から1年にもならないうちに、福知山をまた水害の恐怖が襲った。大気の状態が不安定となり、福知山市内では16日夜から17日昼ごろにかけて、雷を伴う激しい雨が降り、市街地を中心に内水被害が発生した。広範囲で家屋が浸水し、多くの車両が水没した。堀口や和久市町などでは孤立し、建物からボートで救出される人たちも。土砂崩れは各地で発生し、道路が通行止めになったり、鉄道が運休した。思いもよらぬ事態に、涙を流す女性もいた。浸水した地域では、18日朝も片付け作業に追われている
■車の中の男性が死亡 土砂崩れで女性けが■
和久市町にある飲食店の駐車場で17日午前10時30分ごろ、軽自動車の中にいる豊岡市の男性(24)が見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。福知山署は、水が車のマフラーまで到達し、排ガスが車内に逆流して一酸化炭素中毒になったか、車内に入り込んだ水で溺死した可能性もあるとみて調べている。
また聖佳町では、17日午前4時10分ごろ、民家に土砂が流れ込んだ。女性(76)の下半身が埋まり、家族が救助を要請し、駆けつけた福知山消防署員が救出。頭に軽傷を負い、綾部市民病院に搬送された。
家屋の浸水は、床上、床下を合わせて1千棟を超えるとみられ、和久市町や蛇ケ端、堀口、内記など住宅密集地での被害が多かった。
土砂災害は各地で発生しており、市で調査を進めているが、18日昼までにまだ全容はつかめていない。
■雷を伴う雨が24時間に303ミリ■
東シナ海から西日本などを通ってのびる秋雨前線の影響で、16日夜から17日昼ごろにかけて、局地的に雷を伴う激しい雨が降った。
市内では、荒河で17日午前5時50分までの24時間降水量が303・5ミリと、福知山での観測史上最も多い数値を記録。17日午前3時30分には由良川が福知山観測所(音無瀬橋下流)で氾濫危険水位を超える5・92メートルまで上がった。
写真=市街地を流れる弘法川があふれた(17日午前7時ごろ)
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