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両丹日日新聞2014年8月12日のニュース

赤字かさむ市の光回線「e−ふくちやま」

e−ふくちやま懇談会 民間事業者の光回線敷設が無かったり、テレビの地上波デジタル放送が受信できない地域などの情報格差を是正するため、市が実施している「e−ふくちやま事業」の今後のあり方を考える懇談会が11日、福知山市駅前町の市民交流プラザふくちやまで開かれた。

 この事業は、06年の1市3町合併を契機に、均衡ある市域の発展を目指し、地デジが受信できない地域や高速インターネットが普及していない地域、携帯電話の不感地域などへの対策を進めてきた。

 11年度に整備が完了し、特に地デジが受信できるようになるサービスは、対象の約4700世帯のうち、6月現在で4565世帯が加入するなど、多くの人が利用している。

 しかし、対象地域への民間事業者の参入や放送・通信分野の技術革新、市の財政状況など、事業を取り巻く環境が厳しくなってきている。このため、今後の事業のあり方について広く意見を聞くため、サービス利用者や学識経験者、有識者など12人で構成する懇談会を開くことにした。

 第1回となる今回は、松山正治市長が委員に委嘱状を手渡したあと、「この事業では、光ファイバーを延長する工事などで、これまでに約46億4千万円を要した。今年で9年目を迎え、設備も古くなっている。更新に初期投資と同程度の経費が必要になるため、市民にとって望ましい事業のあり方を、しっかり検討していただきたい」と伝えた。

 座長に成美大学の芦田信之副学長、副座長には府情報政策有識者会議委員の加畑満久さんが就任。懇談会で委員らはまず、事務局(市情報推進課)による現状の説明に耳を傾けた。

 e−ふくちやまのインターネットサービスは、対象の約8600世帯のうち、637世帯のみの加入となっていること、28年度までこのまま継続すれば、事業収支の試算で100億円以上の赤字が見込まれることなどが報告された。

 これらを踏まえ、委員たちの間で「事業の民営化への移行も検討するべき」「インターネットと地デジのサービスは、切り離して考えてはどうか」などの意見が交わされていた。

 今後は、11月までに専門部会を4回、全体会を2回開催。懇談会の意見を参考に、市が12月をめどに方針案を策定する予定にしている。


写真=「今後のあり方についてしっかり検討を」と伝える松山市長

    

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