幕末まで13代にわたって福知山藩を治めた朽木家に伝わる文書を調べた「丹波国福知山藩朽木家文書目録」が、朽木家所蔵資料研究会(朽木彰会長)からこのほど出版され、研究者たちに愛用されている。A4判195ページ、5千円。
■歴代関係者の検索容易に■
朽木家は寛文9年(1669)に稙昌(たねまさ)が3万2千石で福知山へ転封。藩校・惇明館を創設した7代鋪綱(のぶつな)、オランダ商館長のイサーク・チチングと交友をはかり、蘭学研究に大きな功績を残した8代昌綱(まさつな)らを経て13代為綱(もりつな)で幕末を迎え、廃藩置県で福知山を離れた。
その後1999年、128年ぶりに16代当主、彰さんが福知山に移住。多数の資料を持ち帰り、地元の郷土史家らが03年から研究会を作って調査、整理してきた。その成果として文書目録を作成。福知山藩朽木家の歴史の概要がわかる通史編▽文書の概要がわかる解説編▽文書の目録編▽朽木家の系図や歴代藩主の一覧表を備えた資料編の4編で構成した。
通史編は、福知山市史の記述に最近の研究成果を踏まえて新たに書き起こした。解説編は、歴代藩主ごとの治績のみを簡潔にまとめ、朽木家文書の伝来と全体の概要についてまとめた。目録編は文書整理の経過と5つに分類した文書目録。資料編は朽木家の系図、朽木家13代歴代藩主の一覧表を掲載している。
特に資料編には、朽木家歴代関係者を検索するための名前、法名ごとの索引、基礎資料となる家譜を収録。人名や法名のみが資料に記されていた場合、いつの時期のどのような人物だったのかよくわからなかったが、だれの縁戚なのかや、どのような役職にあった人なのかなど分かるようになった。
研究会では「福知山藩の歴史を研究する時の基本文献にしてもらえる」と話している。桐村好文堂=電話0773(23)4597=、福島文進堂=電話0773(23)6377=で扱っている。
写真=様々な資料を整理、解説した「丹波国福知山藩朽木家文書目録」
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