昨年秋の台風18号の大雨により、地区内の大半が浸水した福知山市大江町蓼原で26日、水無月祭り（実行委員会主催）が催される。当日は、水につかって壊れ、修理した旧北丹鉄道の大型模型を走らせるほか、浸水時の地区内の様子を撮ったビデオ映像を上映する。被災から約10カ月が経過。地区内では今も復旧作業が続いているが、住民たちが水害から立ち直っている姿を祭りで見せたいという。

　台風時、蓼原地区では国道175号に近い区域の民家の多くが由良川から流れ込んだ水で、1階の天井近くまで浸水した。幸い死者は出なかったが、家屋からの泥出しや家財道具などの片付けに追われ、現在も改装中の民家がある。

　祭りは近年では7月の最終土曜日に開催。今年も予定通り、住民らでつくる実行委が主催するが、水害からの復興をアピールする催しにする。

　旧北丹鉄道の大型模型は、住民有志が運搬用の前引き3輪車2台を使い、乗車できるように改造。2年前から祭り会場内で走らせている。この大型模型も水につかり動かなくなったが、今年も「運行」させるため、住民たちが車体についた泥をふき取ったり、水圧で破れた天井の布を張り替えたりした。

　また住民の公手勝さん（70）が由良川からの洪水が地区内に押し寄せる様子などを撮影したビデオ映像を、地元の大江高校ビジネス科学科3年生、岩田千草さんが音楽などを入れて見やすく編集。祭り会場のプロジェクターで上映する。



　祭りは午後3時にスタート。大江高ジャズバンドなどのステージ披露があるほか、金魚すくいなどの子ども広場を設け、模擬店なども並ぶ。雨天決行。

　実行委の新治正樹委員長（49）は「水害で、まちはひどいことになった。いまだに畳の入れ替えができていない民家もあり、復興の途中だが、これまで多くのボランティアらの支援を受け、立ち直ることができました。みんなで祭りを盛り上げ、元気をアピールしたい」と話している。


写真＝水につかり傷んだ旧北丹鉄道の大型模型の修理をする住民たち
写真＝大江高の岩田さんが編集した水害の映像