日本でのレコードデビューから今年で50周年を迎えた世界的ロックバンド「ビートルズ」。福知山市職員の二条久保憲作さん(58)=内記三丁目=は、その魅力にはまり、高校時代から40年以上レコードを収集している。現在では、日本盤を中心に、シングル盤とLP盤を、いずれも400枚ほど所有。価値の高いものもあるという。
■心を揺さぶられた出会いは高校2年■
二条久保さんは、高校2年のときに初めてアルバム「アビイ・ロード」を購入。これが、ビートルズとの出会いだった。
当時としては先進的なメロディーに心を揺さぶられ、すぐとりこに。これをきっかけとして、すでに発売済みのレコードも、親にねだって買い求めるようになった。
「あの頃は、純粋にビートルズの曲がたまらなく好きで、知らないうちにどんどん増えていった、という感じでしたね」
■魅力を再確認できた20〜30代の“浮気”■
そんな生粋のビートルズファンの二条久保さんだが、20〜30代のころには、イギリスのロックバンドやアメリカの「ウエストコーストサウンド」などに“浮気”したこともある。
しかし、「どのバンドもビートルズに影響を受けている」ことに気づき、魅力を再確認。40代になって原点に戻ろうと、ビートルズのレコードをまた買い始めた。
■コレクション魂に火がつき次々購入■
インターネットのオークションを閲覧していると、同じ曲でもジャケットの帯が違っていたりするものが、たくさん販売されている。「コレクター魂に火がつき、ビートルズのレコード収集が趣味になりました」という。
いまでは、部屋の一部をレコードの保存用として改修した棚に、ビートルズだけで約800枚がずらり。ジャケットを鑑賞したり、昔ながらのレコードプレーヤーで、ターンテーブルを回し、曲を聴いたりして楽しんでいる。
コレクションのなかには、世界のコレクター間で幻の一枚と言われる「マイ・ボニー・ツイスト」のレコードもある。
これは、デビュー前のビートルズが、ドイツで人気のあったトニー・シェリダンのバックバンドとして参加した曲で、東京にあるビートルズ専門のレコード店で、20年ほど前に購入したという。
さらには、ひょうたん型や半掛けといった価値の高い帯が付いたレコードのほか、盤の色が黒色ではなく、赤色で「赤盤」と呼ばれるレコードも多数所有している。
また、ジョン・レノンのソロアルバムを購入した人のみ応募できる「ジョン・レノンとオノ・ヨーコの特別インタビュー」のレコードプレゼントに当選し、これも大事に保管してある。
■好きな曲は「レット・イット・ビー」■
ただ、「価値にはあまりこだわっていない」という二条久保さん。「単純にビートルズが好きだから、違った種類のものを集めているだけなんです」と笑う。
お気に入りの曲は、「レット・イット・ビー」。「なるがままに−という歌詞が好きで、精神的につらいときなどに聴き、元気をもらっています」
■家族も優しく応援 子どもからのプレゼントも ■
夫のコレクションについて、妻の明美さん(53)は「普段は、全然お金を使わない人なので、お小遣いの範囲で買うのであれば、全然問題ないです。趣味を持たないと、人生楽しくないですもんね」と優しく見守る。
そして娘2人と息子の子ども3人も、良き理解者になってくれている。昨年11月には、ポール・マッカートニーが来日した際のコンサートチケットを、3人でお金を出し合って購入してくれた。「みんなの気持ちが本当にうれしかった」という。
「思い返せば、ビートルズのレコードをコレクションするようになったのは、高校時代に親が文句も言わず、レコードを買ってくれたからだと思います。温かい記憶が、ずっと残っていたからなんでしょうね」
二条久保さんは言う。「もちろん、ビートルズのコレクションも貴重な財産。でも親との思い出や妻、そして子どもたちが一番大切で、かけがえのない『宝物』なんです」
写真1=初めて買ったレコードを手に笑顔を見せる二条久保さん
写真2=「ロック日本盤シングルレコード大全」を眺める二条久保さん
写真3=部屋一面に並ぶコレクションのごく一部
写真4=幻の1枚も所有
写真5=「赤盤」
写真6=同じ曲のレコードでも帯が違えば購入する
写真7=ジャケットを鑑賞しながらレコードを聴くのが至福の時間
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