福知山市土自治会(田中権一自治会長)で6日、風水害を想定した防災訓練が行われた。昨年9月の台風18号で民家の大半が浸水被害を受ける惨事となったため、情報伝達訓練にも力を入れ、安全に早く避難誘導できる態勢を確認し、万が一に備えた。
昨年9月16日朝、土地区は前日から降り続いた雨で、由良川の氾濫による濁流と、別方向からの内水が押し寄せた。約140戸のうち約100戸が浸水(うち70戸は床上)し、一面が泥の海と化した。
被害は、その9年前に来襲した台風23号の時より大きかった。10年の間に2度もの大災害に見舞われた土自主防災会では、独自に作成している災害時の対策をまとめたマニュアルの見直しを進めている。台風が多い9月までに、見直す部分を地域住民に示すのを目標としている。
防災訓練は毎年続けているが、今回は見直しの最中での訓練になった。大雨洪水警報が発令され、集落のそばの田畑が浸水を始めたとの想定。訓練には約126人が参加した。
地元公会堂に詰めた田中自治会長が「地域のてん茶工場付近が浸水を始めており、危険な状態。組長の指示に従って公会堂に避難をしてください」と放送。今年は「要配慮者」の札も作り、これを下げた人を住民が助け合いながら避難させた。
このあと、福知山消防署東分署の指導で、意識や呼吸がない人の救急救命として、胸骨圧迫の方法やAED(自動体外式除細動器)の使い方を教わり、さらに、消火器を使っての初期消火訓練もした。女性による炊き出し訓練もあり、参加者が、釜で炊いた米で作ったおにぎりの試食をした。
田中自治会長は「マニュアルの見直しでは、避難場所として、公会堂上の高台に2月に建った土森林会館を加えることや、放送やサイレンの鳴り方で、一層分かりやすい情報伝達ができるようにすることを検討しています」と話していた。
写真=助け合って公会堂へ避難する地域の人ら
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