WEB両丹

きょうあったいい話、夕飯までに届けます。京都府福知山市の情報を満載した新聞社サイト

タブメニュー

両丹日日新聞2014年6月20日のニュース

江戸時代から続く丹後二俣紙の技術伝えるDVD制作

0620tosihiro.jpg 福知山市大江町二俣で江戸時代から受け継がれている手漉(てす)き和紙「丹後二俣紙(通称・丹後和紙)」の製造技術などを伝えるDVDができた。市内で唯一、手漉き和紙を製造する田中製紙工業所での原料・コウゾの栽培や漉き作業など、1年間にわたる「和紙作り」が紹介されている。

 二俣では昭和初期まで、約200戸が手漉き和紙を作っていたが、洋紙が普及し、昭和40年代以降は田中製紙だけとなった。現在は田中製紙の4代目、田中正晃さん(81)が会長となり保存会を作って、技術の保全に努めている。

 DVDの制作にあたったのは市文化遺産活用実行委員会(井上正暉委員長)。和紙作りにおける匠の技を記録し、長く継承していくことが目的で、保存会が企画、構成に携わった。

 DVDのタイトルは「丹後二俣紙」。収録時間は1時間50分。「普及」「教材」「記録」の3編に分けて構成されている。

 田中製紙では家族4人で紙作りに取り組んでおり、その様子を余すところなく収録。冬に収穫したコウゾの皮むき、和紙の元になる繊維の抽出など、原料を作り出す一連の作業が分かりやすくまとめられている。

 5代目で保存会の副会長を務める敏弘さん(52)の簀桁(すげた)を使って手漉きする技術は、均一の厚さの紙ができあがっていくところがよく分かるようにスローモーションにしている。

 丹後二俣紙が書や絵の用紙としてだけでなく、寺社の障子や文化財の拓本、丹波漆の漉し紙として使われていることも紹介。使い手たちが二俣紙の良さを伝える声を収録している。

 DVDは300枚作り、市内の各小中学校、高校などに配布。市立図書館中央館など4館、市生涯学習課(市役所6階)で貸し出している。

 敏弘さんは「ほぼ1年かけてじっくり撮影していただき、作り手としての私たちの思いを十分に入れてもらえた。たくさんの工程がある和紙作りとその良さを知ってもらうため、多くの人たちに見てほしい」と話している。


写真=できたDVDを手にする田中敏弘さん

    

[PR]



株式会社両丹日日新聞社 〒620-0055 京都府福知山市篠尾新町1-99 TEL0773-22-2688 FAX0773-22-3232

著作権

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。

購読申込 会社案内 携帯版 お問い合わせ