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両丹日日新聞2014年6月19日のニュース

無人駅で本格造園 ボランティア駅長が資格取り整備

名誉駅長 JR山陰線上川口駅の名誉駅長、日和輝男さん(77)=福知山市六十内=が、「無人駅でも、地域の人たちが気持ち良く利用できるようにしたい」と、駅の環境美化などの活動を続けている。駅前広場に整備した庭園もそのひとつ。このほど、周りに「躍動」「絆」などの思いを込めたさまざまな形状をした竹柵を設けた。

■JR山陰線上川口駅で日和さん■

 名誉駅長は、JR西日本福知山支社が、地域に密着した駅づくりを進めるために配置した無人駅のボランティア。日和さんは12年秋に委嘱され、約100メートル離れた自宅からほぼ毎日足を運んで、駅舎やホームの清掃、乗降客の案内、雪かきをする。乗降客へのあいさつも欠かさず、駅を間違えて降りたお年寄りを上夜久野の自宅まで送ったこともある。冬場には待合室に手作りの座布団を敷く。

 綾部支区長を最後に90年春に退職するまで約35年間、主に路線を保守する保線区で働いた。在職中に造園や土木施工管理技士1級の国家資格を取得しており、退職後には日本園芸協会が認定する庭園管理士の資格も取った。

 プロの庭師の技で、荒れ放題だった駅前広場の約60平方メートルの庭園を、7年ほど前から自主的に再生。昔からあったツバキのほかに、ツツジ、サツキ、ライラックなどを植えて、飛び石も敷いた。定期的にせんてい作業もしている。


■テーマ定めた竹柵も設置■

 さらに庭園内にごみ投棄がみられたことから、新たに竹柵設置を計画し、扇型や山なみ、孤を描いたものなど自己流の5種類を半年がかりで整備した。それぞれ、若者に夢に向かって歩んでほしいという「躍動」、災害が多発するなか人間同士の結びつきが大切という「絆」、健康長寿に感謝して社会貢献したいという「人生」などの文字を記した竹筒を取り付けた。

 赤色の帯に金色の2本線が入った駅長帽をかぶって働く日和さん。「上川口駅は上川口、三岳、金谷地区の玄関口。自宅にも近く、とても愛着があります。庭園管理も含めて体が続く限り活動を続け、親しまれる駅づくりをしたい」と意欲をみせている。


写真=整備した庭園に竹柵を設けた日和さん

    

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