京都府は、交通の難所となっている福知山市川北、由良川沿いの府道を付け替えることにした。発表した今年度の公共土木・単独土木事業の箇所付けで詳細測量、土質調査費などが盛り込まれた。総事業費は約9億5千万円を見込む。災害に強い道路整備の一つ。箇所付けでは、ほかにも災害対策関係の事業が目立つ。
■由良川沿いの交通難所 9億5千万円かけ5年で■
府道舞鶴綾部福知山線は交通量が多いものの、川北−猪崎間の約1・2キロ区間が幅5メートルほどしかなく、大型車だとすれ違いが難しい。南側は由良川の崖、北側は急な山肌になっていて拡幅もできない。そこで今より高い場所の山肌を切り開いて、全幅10メートルの新しい道を通すことにした。歩道も確保して高齢者らの安全に配慮する。完成は19年度。
昨年の台風18号災害の際に大きな被害が出た路線でもあり、災害に強い道路整備の一つとして位置付けている。
■大江の175号道路かさ上げ 国交省の輪中堤完成に合わせ■
大江町では阿良須の堤防築造工事に併せて国道175号のかさ上げを完成させる。
付近では国土交通省が由良川下流部緊急水防災対策として輪中堤を築いており、今年度完成する見通しとなっている。このため、国道が堤防部を乗り越えられるよう、輪中堤上流側(河守側)580メートル区間で「乗り越し道路」の築造工事をしている。事業費約2億2千万円で、今年度に完成させる。下流側(舞鶴側)でも、国交省工事分を合わせて約800メートル区間でバイパス工事をしていて、今年度に完成の運び。
これまで何度も冠水していた区間だが、これで「04年の台風23号と同規模の出水でも、防災拠点へのアクセスルートを確保できる」という。
■戸田橋を延伸 大谷川を拡幅■
昨年大きな被害を受けた戸田、石原方面では、由良川の築堤整備事業に伴い、戸田橋を延伸する。橋から市道(旧中丹広域農道)へ向けての坂道部分が築造中の堤防にひっかかるため、橋の部分を伸ばし、坂道が堤防にかからないようにする。総事業費約7億円で17年度完成予定。今年度はまず約4千万円で詳細設計をする。
近くでは河川整備も進める。
昨年の台風で石原から前田にかけて被害をもたらした原因の一つに、由良川へ注ぐ大谷川があふれた内水問題がある。集中豪雨対策事業として、今年度は全体の河道詳細設計を行い、一部区間で拡幅工事も行う。
拡幅をするのは土の製茶工場近くの400メートル区間。「区間は短いものの、少しでも貯水できれば」と期待をしている。
■私市の相長川を付け替え■
由良川を挟んで大谷川と反対側の私市を流れ、家屋の浸水被害をもたらす相長川でも、総合流域防災・統合河川事業を進める。
細く蛇行している川を、広く真っすぐな川に付け替え、府立中丹支援学校横から由良川へ注ぐようにする事業。国交省の由良川築堤工事に合わせて進めている。
全長830メートル。一昨年度から事業にかかり、これまでに用地補償、仮設道路工事などを行ってきた。今年度は、川をまたぐ府道橋の下部工事や護岸工事など2億6600万円を計上した。
写真=交通量が多いものの狭く交通の難所となっている川北の府道
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