厄介者のシカ、イノシシを食材として地域活性化に−と、京都府は中丹地方で野生鳥獣肉を使った料理「ジビエ」を提供する店を増やし、対外的にアピールしていく中丹ジビエ街道づくり事業をスタートさせる。6月補正予算案に事業費を計上する。
全国でシカ、イノシシによる農林産物への食害が深刻になっており、中丹地方では年間1億から3億円もの被害をもたらしている。そこで、捕獲したシカ、イノシシをヨーロッパで伝統的に愛されている「ジビエ」食材として活用していくことにし、今年1月には福知山市内で試食会を開いた。
参加した料飲関係者約70人の多くが「ジビエを取り入れたい」との意向を示したことから、ジビエ料理提供店をつないで「中丹ジビエ街道」としてアピールしていくことにした。
府で今後、メニュー開発促進のための試作材料(食肉)提供、技術向上セミナー開催、消費者モニター調査をしていく計画。提供店で統一キャンペーンを行うことも考えている。
また、料理提供だけでなく、良質な食材の安定供給を確保するため、地元、猟師、食肉業者と連携して捕獲技術向上講習会、捕獲後の処理迅速化なども図っていく。
旬の農産物を複数組み合わせた中丹の「食」発掘事業と合わせ、事業費は400万円。
■一般会計補正額は222億1300万 総額9192億に■
京都府は11日、222億1300万円余の一般会計補正予算案を発表した。補正後の総額は9192億8271万円になる。
6月議会は18日に開会し、会期は7月11日まで。
写真=1月に福知山市内で開かれた試食会で出されたシカ肉のジビエ料理
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