成美大学の公立化を求める市民の会(西田輝雄会長)は2日、福知山市内の79団体・個人が署名した「成美大学の公立大学法人化に向けて、検討してほしい」とする要望書を、松山正治市長に提出した。受け取った松山市長は「熱意は受け止めさせてもらったうえで、大学のあり方について、広く検討していきたい」と答えた。
福知山市西小谷ケ丘の成美大学(内山昭学長)は、2000年の開学以来、定員割れが続いており、近年では億単位の赤字を計上している。
また10年には大学評価の第三者機関である大学基準協会から、「大学基準に適合していない」と判定され、さらに入学者数は減少。あらゆる対策を講じてきたが、抜本的な解決には至っていない。
こうした状況を受け、「不適合判定による悪いイメージの転換を図り、入学者数を増やすためには、公立化を目指すべき」と、市民有志が立ち上がり、4月に市民の会を発足させた。
これまでに総会を3回開き、市社会福祉協議会や市老人クラブ連合会、福知山商工会議所、市商工会など32団体と2個人で、市長への要望書提出のための準備を進めてきた。
同時に、市内の各団体に声をかけ、署名を募ったところ、会員団体を含む71団体・8人から、賛同を得ることができた。2日には、会員11人が市役所に出向き、松山市長に要望書を手渡した。
浅尾勝次副会長は「成美大は、立地条件が良く、施設もしっかりしている。市民にとって大きな財産であり、地域活性化の拠点にもなりうるため、存続させる必要がある」とし、「要望書の提出により、市民が自分のこととして、成美大の将来を考えていただくきっかけになれば」と期待していた。
■学園側は歓迎■
また要望書の提出を受け、成美大を運営する成美学園の小西健司理事長は「学生の確保と期待された運営が出来ず、このような事態を招いたことは面目ないことであり、市民のみなさまにおわび申し上げます」と謝罪。
また「公立化により、住民の願いに応える大学として、再生されることを切に願っております。学園としても、教職員が一丸となって、地域の課題解決に一層貢献できるよう、取り組んでまいります」とコメントしている。
写真=要望書を松山市長に提出する市民の会のメンバー
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