福知山市大江町に残る昔話を後世に伝えていこうと、同町出身者や地元の人たちでつくる「大江昔話を語る会」が、精力的な活動を続けている。昨年11月の発足以来、毎月1回、町総合会館に集まり、各地域の昔話についての学習や語りの練習をしている。今後は小学校などで子らに語り継いでいきたいという。
会の発起人は、大江町小原田で小学校5年生から高校1年生まで暮らした元小学校長の山崎貞子さん(79)=京都市左京区=。山崎さんは大江町にいたころ、祖母から「うばすて山」などの昔話をよく聞き、ずっと心に残っていた。子どものころの体験がきっかけで全国の高齢者や子どもたちから地域に伝わる話の聞き取りをしたり、実際に語ったりする取り組みを約50年間続けている。
活動を続ける中で、古里の大江町で1978年に「大江むかしばなし」という冊子が発行されていたのを知ったが、今では冊子に掲載された昔話が語り継がれることがほとんどなくなり、昔話の存在自体が消えてしまう危機感を覚え、京都市内の元教員や大江町の住民らに呼びかけて会を発足した。
現在山崎さんが代表を務め、約30人の会員で活動している。冊子に載っている昔話は270話あり、笑い話や動物話などの4部門に分け、それぞれの話を理解するための学習や昔話の語りの練習に取り組んでいる。
■民話の情報収集も■
冊子に載っていない民話の情報収集もしており、今後話を知っている人からの聞き取りをしていく。語りの対象となるのは小学校、保育園の児童、園児たちで、出前講座として、会員たちが出向き、昔話を聞かせる。また自治会の会合などでも披露していきたいと考えている。
山崎さんは「できる限り、大江の方言で昔話を語り、家庭や地域でも話が浸透し、広く語り継がれていくよう努めていきたい。家庭内などで話が弾み、絆が深まればうれしい」と望んでいる。
会についての問い合わせは杉之下さん=電話(57)0480=へ。
写真=5月29日の例会では山崎さんが会員たちに語りを聞かせた
[PR]
株式会社両丹日日新聞社 〒620-0055 京都府福知山市篠尾新町1-99 TEL0773-22-2688 FAX0773-22-3232
著作権
このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。