山の荒廃につながる竹林の竹を利用し、山林を復興させようと、福知山市大江町で林業を営む人たちでつくる大江林業研究会(川根喜市会長、18人)は、竹をチップにする粉砕機を導入し、26日に試運転をした。粉々になったチップは畑などの土壌改良に活用。機械は会員たちが自分たちの持ち山で使い、山林保全に役立てる。
町内の山林には、モウソウダケが密集して生えている竹林が多くあり、光を遮るうえ、竹から落ちるしずくが、そばにある植林したスギやヒノキの若木を枯れさせ、山が荒れる原因にもなっているという。
研究会員の中にも、持ち山にモウソウダケが生い茂り、伐採しても処分に困っている人が多く、09年には研究会で粉砕機をレンタルで借りて実証実験をしていた。この際に砕いた竹のチップをすき込んだ畑でサツマイモを作ったところ、非常に良質のイモができ、良い感触を得た。
その後、導入へ向けて話し合いを進め、購入を決めた。導入した粉砕機は全長1・4メートル、全高1・5メートル、幅0・7メートル。キャタピラーで自走し、山にも持っていくことができ、軽トラックの荷台にも積める。価格は約200万円で、費用は会員で出し合った。
試運転は大江町二箇下で行った。会員ら約25人が集まり、あらかじめ切っておいたモウソウダケを機械に入れ、粉々になる様子を見た。
直径12センチまでの竹のほか、直径8センチまでの細い木も粉砕することができ、チップにすると、1センチ以下の大きさになった。
チップは畑にすき込めば水はけが良くなり、牛ふんなどと混ぜると、より効果的だという。新井康弘副会長(75)=二箇下=は「これで邪魔者となっていた竹を宝物にすることができる。山も畑も良くなり一石二鳥です」と話している。
写真上=太い竹も粉砕することができる
写真下=粉々になった竹のチップ
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