福知山地方てん茶生産組合(勝田孝男組合長)は22日、運営する福知山市土のてん茶工場で今シーズンの製造を始めた。昨秋の台風18号水害で工場は大人の背丈まで浸水したが、機械類を修理するなどして設備を整え、製造に間に合わせることができた。
生産組合は市内の8茶組合で構成。てん茶は抹茶の原料となるもので、市内で生産されるてん茶はすべてこの工場で製造される。
1995年に建てられた工場は水害時、床上約1・8メートルまでつかった。バーナーなどの機械類は、04年の台風23号時の浸水位(約1・2メートル)を考え、1・2メートルより上に置いていたが、すべてが泥だらけになった。
機械類は修理に出し、計器類は取り換えるなどして、被害額は約1200万円に及んだ。
工場での作業は組合員ら12人が24時間態勢の4交代で作業を続ける。農家が持ち込んだ生葉を蒸したあと、高さ約8メートルのネットを備えた散茶器の中に入れ、空気を噴き上げて露切りし、約200度の炉の中に4回通して乾燥させる。工場内は40度以上になることもあり、組合員が汗だくで動き回っている。
午前には松山正治市長が訪れ、組合員らを前に「大人の背丈以上に水がついたが、こんなにきれいになったのはみなさんの努力があったからこそ。心を引き締めて、けがのないよう製造してほしい」と激励した。
生産組合は、今のところ市内の茶の収穫量に水害の大きな影響はないとみており、工場に持ち込まれる生葉は約35トンと予測している。勝田組合長(64)は「浸水後はまたかという思いで、途方に暮れていたが、何とか製造を始めることができ一安心です。今年も良質の茶ができています」と話している。
製造は今後20日間続く。
写真=出来上がった茶の質をみる勝田組合長(22日午前8時40分ごろ)
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