福知山市新町アーケード内にある福知山鉄道館ポッポランドの運営主体が今春から代わり、新たな出発をした。1998年9月に開館してから新町商店街事業協同組合が運営してきたが、西日本鉄道OB会福知山地方本部(足立和義本部長)が引き継いだ。元鉄道マンならではの知識を生かして来館者に展示品の説明をし、リピーターを増やすため、模様替えや企画展の開催に力を入れるという。
ポッポランドは、福知山商工会議所の中心市街地活性化推進事業で開館した。高架前の福知山駅周辺のジオラマ、1923年から半世紀にわたって福知山−大江間で運行していた北丹鉄道の関係資料、C57の動輪などを展示。近くの2号館にはC58の実車が静態保存されている。
市の委託を受けて新町商店街が運営し、15年半余りの間に市内外から24万人近くが訪れた。だが、月平均の入館者は、開館からの2年間は約2500人だったのが、8年目に1千人を切り、その後は当初の3分の1の900人台で横ばい状態が続いてきた。
■市民評価で「大胆な見直し」指摘■
昨年の市公開事業レビューでは、予算執行に改善の余地がないかを市民が評価した結果、「大胆な見直しが必要」と判断され、対策として展示品のリニューアル、2号館や駅南口公園を活用したイベント開催などが挙げられた。
4月からは足立本部長が館長に就き、福知山地本の有志15人が運営委員会を組織して1人ずつ交代で詰め、来館者への応対をしている。旧福知山鉄道機関区でSL機関士を務めた人たちが中心で、往時からの鉄道に精通している。
展示品充実の第一弾として北丹鉄道の駅待合室を再現した入り口に、正明寺の元JR社員、伊藤成光さん(71)が製作したC62、ドラえもんSL、パンダの列車などを置き、子どもたちが来館記念撮影をできるようにした。今後、奥の空きスペースを活用して企画展を開く計画もある。ポッポランド所有の新幹線バッテリーカーなどの出張運行(有料)は踏襲する。
「鉄道のまち福知山」をPRする核施設として存在は大きく、足立館長は「関東や九州など遠方から訪れる人もいる。展示品や体験談を通じて福知山の鉄道の歴史を伝えたい。鉄道OBらにも協力を呼びかけて、展示内容を一層充実させたい」と意欲をみせる。
新町商店街での最後の館長を務めた田村卓巳さんは「鉄道のまちのPR施設として発展させるのには、OB会の方々に任せるべきと商店街で意見が一致した。運営を離れても大切な施設に変わりなく、商店街のイベント開催時などに相乗効果が上がり、集客につながるように連携を深めていきたい」と話していた。
開館時間は午前10時から午後5時30分までだが、小中学校の夏休み中は、開館時間を1時間早める。木曜日休館。入館無料。
写真=新たに手製のミニSLを置いた入り口と足立館長(中央)らスタッフ
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