昨年9月の台風18号水害で冠水した福知山市内の茶園で、両丹お茶まつりなどの茶品評会に出品するための茶摘みが行われている。茶園は台風時にどっぷりと水につかったが、農家やボランティアらが復旧作業に力を尽くし、新茶の摘み取りの季節を迎えることができた。
土(つち)地区などの由良川筋では、一定期間、茶の木に黒い覆いをしてうまみを引き出すかぶせ茶(玉露)やてん茶、煎茶用などの茶が栽培されている。
台風18号では由良川筋の茶園の多くが冠水。興の新興茶業組合の製茶工場は機械などが水につかるなどして閉鎖となった。また台風被害を機に栽培をやめる農家もあった。
市内では10日から、市茶生産組合連合会(田中正史会長)の会員農家の茶園で品評会用の茶摘みがスタート。13日には土の勝田孝男さん(64)の茶園(約15アール)で行われた。この茶園は台風の際に地上から約4メートルの高さまで水につかったが、水が引いたあと、泥やごみを取り除くなどの復旧作業を進めたため、病害虫などの被害はなかった。
茶摘みには連合会に所属する農家ら約45人が参加。松山正治市長も激励に訪れ、「昨年は災害があったが、茶品評会で一つでも上位を目指し、元気さをアピールしてほしい」と呼びかけた。
続いて府中丹西農業改良普及センターの職員が葉の摘み取り方を説明。1本の芯に対して2枚の葉を取るようにアドバイスした。このあと茶園に入り、約45キロを目標に作業に励んだ。摘み手の女性たちは薄茶色の茶葉を丁寧に摘んでいった。
品評会用の茶摘みは17日まで。田中会長(74)は「台風のあと茶園から泥や流木などを除去するのが大変だった。やっとここまできたという感じで、茶摘みができほっとしています。品評会では上位を目指したい」と話していた。
写真=品評会用の新茶を摘む女性たち(13日午前7時40分ごろ)
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