その振り込みちょっと待った！　福知山市夜久野町の金融機関８カ所の窓口・ＡＴＭコーナーに、振り込め詐欺被害防止を呼びかけるメッセージを印刷した封筒（現金袋）が設置された。注意点をわかりやすくまとめた内容で、犯罪被害者が入出金してしまう一歩手前で、最後のストッパーにと期待をかける。

　京都府内での振り込め詐欺などの特殊詐欺被害額が今年の３カ月間で昨年１年間の半分近い３億２４００万円を超える事態になっている。福知山市内では今年に入ってからの被害報告はないが、犯罪は巧妙化しており、油断できない状況が続いている。

　封筒は福知山防犯推進委員協議会夜久野支部（小西允支部長）が、福知山署（竹内敏明署長）の協力を得て２千枚作った。

　親族成りすましや警察官などをかたる詐欺が増えているとし「心当たりのない会社からの電話やパンフレットが来たら即通報」「ゆうパックやレターパック、宅配便での送金依頼は即１１０番」と、被害急増を受けて出された府警察本部長緊急メッセージの注意３点を大きく書いた。

　発案者は夜久野支部中夜久野地区班長の的場渡さん。長らく郵便局長を務めた経験から「窓口では声かけをしてもらえるが、それ以外ではＡＴＭが入出金のために立つ最後の場所になる。ここで何とか踏みとどまらせるものがあれば」と思い立ったという。

　夜久野町額田の額田郵便局（足立弘樹局長）で１０日に贈呈式があった。

　小西支部長が「夜久野から振り込め詐欺をなくしたい」と託し、受け取った足立局長が「いただいた現金袋をきっかけに、お客様にこれまで以上に声かけをして犯罪から守りたい」と応えた。

　竹内署長は「犯罪被害を防ぐためには継続的な情報発信が必要。素晴らしいアイデアで、警察とタイアップしていただけた。全市域にこういった予防活動を広めていきたい」と話していた。


写真上＝振り込め詐欺などに注意を呼びかける封筒
写真下＝小西支部長（左）が足立局長に現金袋を贈呈した