京都府北部を全国有数の観光圏にしようという府の「海の京都」事業は、魅力あるまちづくりを進める主役を地域住民に委ねている。これを受け、福知山観光協会、福知山商工会議所、福知山商工会、福知山菓子協会関係者らで組織する福知山協議会（福島慶太会長、委員８人）は、福知山市がテーマに掲げている「お城とスイーツを巡るまちなか観光」の取り組みを推進する指針となる、市マスタープランをこのほど策定した。今後、行政と一体となって取り組む。

　海の京都事業では、北部７市町に１カ所ずつの重点整備地区を設け、それぞれの地区を周遊ルートで結んで滞在型の観光地にするのを目標としている。

　福知山は、平安時代の書物「延喜式」にも登場する丹波くり、古くから高級抹茶として流通する両丹茶などの特産を持ち、和洋菓子店が多くてスイーツ関係がにぎわっている。これを生かした北近畿の観光拠点都市をめざそうと、魅力ある周遊ルート整備などを盛り込んだプランを作成した。

　市中心市街地活性化計画に基づき、展開エリアを福知山城周辺、ＪＲ福知山駅周辺を含む旧市街地一帯に設定。大江町の大江山酒呑童子の里を交流地区として加えている。

　環境整備▽情報発信・プロモーション▽おもてなし・魅力づくりの３本柱で進め、観光リピーターを増やす。

　「環境整備」では、福知山城・ゆらのガーデンから広小路通り、福知山駅・市民交流プラザにかけての周遊ルートを整備。景観に溶け込むように電柱の地中化や修景保存、ルート沿いへの植樹、多国語の案内看板設置などを進め、さらに、レンタサイクルの充実や駐車場整備、一休みできる休憩場所をつくる。

　「情報発信・プロモーション」では、観光情報の発信を強化するため、福知山観光協会などのホームページの充実、新たなパンフレットの作成、コース沿いでのＷｉ−Ｆｉスポット設置を進める。観光ＰＲには、千原兄弟、小橋建太さん、水野直己さんのドッコイセ大使としての活動に期待し、光秀くんとひろこさんなどのキャラクターを活用する。

　「おもてなし・魅力づくり」では、観光ガイドの養成、土産品販売所の整備、スイーツづくり体験、スイーツコンテストなどを開き、まちなか観光エリアと大江山、大原神社、夜久野高原など周辺エリアの観光資源と合わせた周遊ルート設定なども盛り込んでいる。


写真＝プランの中で拠点となる福知山城とゆらのガーデン