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両丹日日新聞2014年3月28日のニュース

花火大会事故:渡邉被告に禁錮5年 「結果は重大」と地裁

 観客3人が死亡、54人が重軽傷を負った昨夏の福知山花火大会屋台爆発炎上事故から7カ月半。業務上過失致死傷罪に問われた火元の屋台店主で建設作業員、渡邉良平被告(39)=大阪市天王寺区=の判決公判が京都地方裁判所で27日にあり、樋口裕晃裁判長は検察側の求刑通り、禁錮5年の判決を言い渡した。量刑が争点となっていたが、樋口裁判長は「大勢の見物客の安全をないがしろにした被告の軽率極まりない行動に、同情の余地はない。結果も重大」と、法定刑の上限の判決を下した。弁護側は控訴しない方針。

 判決後、記者会見に臨んだ被害者家族らは「これで一区切り」「ひと山越えた」と、疲れきった表情をみせ、「心や体に深い傷が残るなか、苦しみを抱えて人生を歩んでいかなければならない。服役しても解決にはならない」と顔を曇らせた。

 樋口裁判長は亡くなった遺族に対し「大切な人を失った家族の悲しみは察するに余りある」とし、負傷者については「死の恐怖にさらされた人もいる。深刻な後遺症に苦しみ今後の生活に多大な不安を抱えている」と述べた。

 さらに、被告がかつて造園土木の仕事をしていて親方からガソリンの入った携行缶の危険性について教わっていたことに言及。携行缶が発電機の近くに移動させられていることに気付いたことや、携行缶が素手で触れることができないほど熱くなっていたと分かっていたことなどを指摘し、大惨事になることは経験から容易に予測できたと指弾した。

 最終的に、被告が反省していることや妻が被害弁償について述べていることなどを考慮しても、「法定刑上限の禁錮刑に臨むのが相当」と結論付けた。

 判決によると、渡邉被告は昨年8月15日午後7時30分ごろ、花火大会の観覧席に置いた発電機に給油しようと、高温になっていた携行缶のふたを漫然と開け、ガソリンを噴出させて爆発事故を起こし、京丹波町の竹内弘美さん(当時44歳)、同町の山名空君(同10歳)、大阪府高槻市の黒田直希さん(同35歳)の3人を死亡させ、48人にけがを負わせた。

 渡邉被告は法廷に入ると、被害者家族らに向かって一礼。判決を言い渡した樋口裁判長から「分かりましたか」と問われた渡邉被告は「はい」と答えた。樋口裁判長が亡くなった3人を含む被害者51人の名前、年齢、被害程度などを読み上げる際、傍聴席に座る被害者の関係者の女性はハンカチで涙をぬぐった。

 判決後、渡邉被告の弁護人は「本人は控訴しないと思う。もともとどんな判決でも受け入れると言っている」と明かし、控訴しない方針を示した。

    

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