京都府のブランド畜産物「京地どり」を名物にと、福知山市夜久野町今西中の養鶏家、岡本嘉明さん(68)が梅谷で平飼い飼育を始めた。黒く精悍な容姿で肉は風味豊か。値が張り、引き合いは都会からばかりだが「地元でこそ味を知ってほしい」と、26日に試食会を開くことにした。
■歯ごたえ良く風味豊か 福知山の名物にと飼育開始■
京地どりは京都府が「おいしい肉を」と1989年から改良に取りかかり、日本在来の名古屋種と、同じく在来種で肉質の良い黄斑プリマスロックを交配。更にシャモを掛け合わせて翌年誕生させた。92年には京地どり流通推進協議会が発足し、流通販売体制が整った。しかし3つの鶏種を交配した3元交雑のため飼育が難しいこともあって生産が広がらず、近年は南丹市美山町の2人が計4千羽ほどを飼育するだけになっていた。
「せっかくのいい鶏を幻の品種にしてはいけない」。岡本さんは手がけていた3万羽規模のブロイラー事業を息子の将孝さん(40)に託し、自身は府ブロイラー協議会の会長を辞して地どり飼育にかけることにした。今年1月にまず700羽からスタート。秋ごろには2400羽まで増やす計画でいる。
飼育の難しさは、長年携わってきた養鶏の知識、技術で対応できるが、大きな難点となるのが生育日数。ブロイラーが45日ほどで出荷できるのに対して、京地どりは140日ほどかかる。それだけ手間やえさ代がかさむため、値段はブロイラーの5倍ほどになってしまう。
それでも、弾力ある肉は歯ごたえがよく、脂肪が少なくて「昔懐かしい、かしわの味」が人気だという(府畜産課)。岡本さんの鶏舎で出荷が始まるのは4月下旬から。いま来ている引き合いは、ほとんどが東京で、京都市内の料亭からもあるが「よそで食べてもらえるのもうれしいけれど、地元の名物に育て、福知山へ来れば京地どりが食べられる−というようになってくれるのが一番うれしい」と話す。
26日には午後1時30分から東堀の中華料理店、シノワ縷縷で試食会を開く。行政や養鶏業界関係者らを対象にしているが、席が若干あるため、「熱い思いを持った地元の飲食関係の方にも味を知ってほしい」という。
写真=期待をかける京地どりを抱える岡本さん
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