多くの犠牲者を出した東日本大震災からきょう11日で丸3年となった。福知山市夜久野町額田旦の高野山真言宗・東光寺の大月康永住職は、被災地で追悼行脚を行い、死者の冥福を祈るととともに、一日も早い復興を願っている。
大月住職は、東京消防庁世田谷消防署の特別救助隊員として働いた経験がある。テレビで大津波や壊滅的な被害を受けた東北沿岸部の様子が流れると心が痛み、震災の日に合わせて毎年、東光寺で追悼法要を営んでいる。
今回は、住職になる際、一緒に修行を積んだ僧侶とともに6人でグループをつくり、10日から2泊3日の日程で、宮城県の石巻市、女川町、雄勝町の被災地6カ所を訪ねている。
最初に目指したのは石巻市内の大川小学校の建物前。全校児童の7割に当たる70人以上が死亡、行方不明となっており、やり切れない思いを抑えつつ、力強く念仏の声を響かせた。
10日には、石巻市役所に、檀家の人らから寄せられた義援金10万4千円余りを届けた。復興政策部新産業創造課の近藤順一課長に義援金を手渡し、福知山市から派遣されて同課に配属されている足立譲治さんらから現地の復興状況などを聞いた。
石巻の震災被災者は2月末現在、直接死が3270人、関連死が253人、行方不明者が438人に上るという。
11日の現地は冷え込みが厳く、追悼行脚をする大月住職は「沿岸部を通ると、瓦礫は撤去されているものの一帯が荒れ地になっている。復興はほど遠いと感じます」と話していた。
写真=石巻市役所を訪れ、義援金を手渡した。中央が大月住職。右は足立さん
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