21日に開幕する第86回選抜高校野球大会に、5年ぶり2度目、夏からは連続で甲子園出場を果たす福知山成美高校。昨年は地元福知山で花火大会事故、台風被災と悲しい出来事が続いたことから、センバツで着るユニホームの肩口の文字を、これまでの「京都」から「福知山」に変える。「自分たちの野球で福知山に元気を!」とチームの士気は高い。
■事故・災害続いた地元に元気をと■
花火大会事故があった昨年8月15日は、3年生が抜けた新チームのスタートの日だった。夜にはほとんどの部員が息抜きで花火大会に出かけていた。続く9月の府秋季大会に臨む直前、台風が福知山を襲った。どちらも野球部にとって直接的な大事には至らなかったが「こんなに悲しいこととタイミングが重なることがあるのか」。田所孝二監督(54)は胸を締め付けられた。
福知山で続く悲しみを和らげるために、何かできることはないか。昨夏の甲子園でスタンドを埋め尽くさんばかりに応援してくれた市民への恩返しもある。田所監督は秋季近畿大会終了直後、「福知山」の文字を入れた新ユニホームを発注した。
「(センバツに)出られなかったらお蔵入りのつもりでした」と笑うが、出場が決まった時に「今回はなんとしても出たかった」と語った田所監督には、たぎる決意が見てとれた。
熱意はチームにも伝わる。部員たちは、花火事故の見舞金を集めるために学園祭でバザーを開き、台風被災地ではボランティア活動をした。そして、センバツへの道も切り開いた。
西田友紀主将は「昨夏は初戦で負けたので勝ちたい。いい試合をして市民のみなさんに元気を与えることができればうれしい」。佐野友亮副主将も「昨年は悲しいニュースが続いた。センバツを通して福知山に元気になってほしい。福知山代表として頑張りたい」と力を込めた。
写真=「福知山」の文字を入れる新ユニホームのサンプル
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