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両丹日日新聞2014年3月 1日のニュース

トンネル使い誘客を KTR宮福線で列車から壁面への映像投影に成功

KTR
 鉄道のトンネル側壁に投影される映像を楽しむユニークな貸し切り列車が28日、北近畿タンゴ鉄道(KTR)宮福線を走った。福知山市鉄道利用増進協議会が企画したもので、定員いっぱいの20人が参加した。路線全体の3割強を占めるトンネルの壁面に、懐かしい北丹鉄道などの映像が映し出すことで、「退屈せずに面白い」と好評を得た。車内には同乗した鉄道カメラマンの写真が展示され、鉄道にまつわる話などもあった。

■市が企画列車で新たな楽しみ方提案■

 沿線人口の減少や京都縦貫自動車道の延伸などで、JRやKTRを取り巻く経営環境が厳しいなか、他の地域とは違った方法で利用を促進する方法を市協議会で模索しており、鉄道の魅力を満喫してもらう新たな取り組みとして、今回の「わくわくトンネル宮福線の旅」を計画した。

 風光明媚な日本海沿いを通る宮津線(西舞鶴−豊岡間83・6キロ)に対し、鬼伝説で知られる大江山のふもとなどを走る宮福線(福知山−宮津30・4キロ)は、トンネルの区間が長い。それを逆に生かそうと、映像の投影を考えた。

 貸し切り列車は、通常ダイヤで走る車両に1両を連結したもの。市内だけでなく、大阪府内や兵庫県南部から訪れた鉄道愛好家らが乗り込んで、午前10時に福知山駅を出発した。

 13あるトンネルのうち、下天津トンネル(約2・2キロ)、栃葉トンネル(約2・1キロ)、普甲トンネル(約3・2キロ)の3カ所で、車内に積み込んだプロジェクターで投影。スクリーンに見立てた側壁に、71年まで福知山−河守(大江町)間を走っていた北丹鉄道の車両や沿線風景などの動画、同行した鉄道雑誌などの写真撮影をするカメラマンの高屋力さん(40)=三俣=が撮影したKTRの沿線風景の写真が映し出され、参加者たちから歓声が上がった。赤や緑のレーザーが描くさまざまな軌跡も目を引いた。

 鉄道写真を撮り続けている会社員、洪舜傑さん(28)=大阪市=は、トンネルへの投影という関西初の試みに関心を寄せて参加。「車窓からは自然にあふれた風景が眺められ、トンネルはで映像が楽しめるという鉄道愛好家の心をくすぐる旅。地方は都会にないのんびりとした良さがあり、また計画されれば参加したい」と関心を寄せていた。

 応募開始後、早いうちに定員に達した今回の企画。市生活交通課長の佐藤秀樹さんは「福島県の会津鉄道では、映像投影システムを車外に搭載してのトンネルシアターが実施され、人気を集めている。KTRでは電源確保などの課題をクリアすれば、やれることが確認できた。できれば来年も第2弾を計画したい」と振り返っていた。

■鉄道カメラマン高屋さんのトークも■
0301ktrsyasin.jpg このほか車内には、高屋さんが撮影したKTRの写真10点を展示し、一日の利用客が平均5人で「秘境駅」として知られる辛川駅などの撮影スポットを紹介。さらに、宮津市のみやづ歴史の館で鉄道写真撮影の上達法などを伝授した。佐藤課長は、車内で北丹鉄道の歴史や沿線の観光スポットを案内した。


写真上=参加者が関心を寄せたトンネルでの映像投影
写真下=鉄道写真撮影の上達法を伝授する高屋さん(左)

    

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