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両丹日日新聞2014年2月27日のニュース

震災から復活-奇跡のピアノ 歌手の普天間さんと豊岡でコンサート

奇跡のピアノと修理した遠藤さん
 東日本大震災を経験したピアノと歌手による、被災地復興祈念「普天間かおり『奇跡のピアノ』コンサート」が、3月2日に豊岡市民プラザほっとステージ(豊岡市大手町)で開かれる。正午からの昼の部と午後4時30分からの夜の部の2ステージ。支援物産展も同時開催される。

 2011年3月11日、福島県いわき市の豊間中学校で卒業式があり、地元の人が寄贈したグランドピアノの伴奏で生徒たちが校歌を歌い、巣立っていった。その3時間後、大地震による津波が中学校を襲った。

 生徒たちは無事だったものの、体育館は大量の土砂と瓦礫が押し寄せ、ピアノを覆った。無残な姿になり、誰もが、修理は不可能だと思った。

 しかし地元の調律師、遠藤洋さんが「このままピアノまで瓦礫にはしたくない」と修理を申し出て、懸命に修理を始めた。

 むせるような潮のにおい。細部にまで入り込んだ砂。さび付いた弦。無くなった鍵盤。丹念に砂を洗い流し、磨いた。途方もない作業に思え、諦めかけたこともあったが、「もう一度、豊間中の子たちに歌ってほしいから」と奮起。1万個にも及ぶパーツを整え、修繕しきった。ただ、胴体には、大きな擦り傷をそのまま残した。震災の記憶を後世に伝えるために。

 震災1年後の12年3月11日、間借り授業をしている藤間中学校で、ピアノは再び豊間中校歌を奏でた。生徒たちの伴奏として。
0221futenma.jpg 生徒と一緒に歌う女性の姿もあった。沖縄出身歌手の普天間かおりさん。普天間さんも、震災を経験していた。パーソナリティーを務める福島のラジオ番組生放送中のことだった。

 平和や家族などをテーマに、人を見つめる温かな楽曲を送り出して人気を得ていて、特に福島では裏磐梯地域の観光大使を務めるなど県民たちから慕われている。

 震災直後から支援プロジェクトを立ち上げ、避難所でライブを行い、チャリティーコンサートを開いては収益を義援金にするなど、精力的に活動。多くの人を勇気づけてきた。

 豊岡との縁もある。県立コウノトリの郷公園にある豊岡市立コウノトリ文化館では、10年から普天間さんの楽曲「守りたいもの」が、コウノトリの巣立ちまでのハイライト映像とともに流れている。

 ステージでは、奇跡のピアノのエピソード紹介とトークショーに続き、普天間さんと奇跡のピアノによるコンサートがある。「昼の部」は市少年少女音楽隊、「夜の部」は市民有志コーラスも出演する。

 前売り大人1千円(当日1200円)、小中高校生500円(同600円)。収益は被災地支援に役立てる。問い合わせは電話0796(21)9022、豊岡市政策調整課。


写真上=奇跡のピアノと修理した遠藤さん
写真下=福島の人びとを勇気づけている歌手の普天間かおりさん

    

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