福知山市は２１日、総額８２８億５３００万円（以下１００万円未満切り捨てで表記）の２０１４年度当初予算案を発表した。市長マニフェスト実現のための積極的な予算計上と消費増税の影響などを受け、一般会計は前年度当初比１・８％増の４０６億１千万円で過去最高額となった。松山正治市長は「ひととまちの元気づくりになる年となるように編成した」と説明した。２４日に開会する市議会３月定例会に提案する。

　一般会計の歳出のうち、教育費は３７億２９００万円で４６・１％（１１億７６００万円）増と目立つ。主な事業は小中学校のエアコン設置工事や設置に向けた実施設計に４億５９００万円、福祉保健部から教育委員会に所管を移して学校との連携を強化する放課後児童クラブ運営事業に２億７８００万円をそれぞれ計上している。

　このほか、災害避難所としての機能を強化するため市武道館にソーラーパネルと蓄電池の設置に３２００万円、４階ホールの改修など市民会館・中央公民館の改修工事に５億５千万円、ＫＴＲ大江駅に階段昇降機を設置するバリアフリー化に５５００万円、昨秋の台風１８号水害で浸水被害を受けた西中筋ライスセンターの再建支援に４６００万円をそれぞれ充てる。

　また、消費税率の引き上げによる負担を緩和する給付金事業も予算化している。

■市税２・５％増収見込む■

　歳入は、個人市民税が３３億９３００万円と微減ながら、景気回復に伴う企業収益の改善を期待して法人市民税を１９・８％増の１２億８００万円とし、市税全体では２・５％増の１１３億６２００万円と増収を見込む。

　地方交付税は１０７億５千万円と３・３％減だが、消費増税による地方消費税交付金は１８・７％増の１０億１１００万円としている。　市債発行額は、臨時財政対策債と合併特例債を含めて１１・２％増の５６億２４００万円になる。

　１５特別会計は０・８％減の総額２１２億６８００万円。３企業会計は１６・１％増の総額２０９億７４００万円。地方公営企業会計基準の見直しや新大江病院の改修などで大幅に増加している。

　１４年度末の全会計の実質的な市債残高（借金）は、４億円減の４８３億６千万円。市民一人あたり（昨年３月末人口で算出）に換算すると、５千円減の５９万７千円となる。

　経済対策の前倒し補正分として、一般会計１２億４３００万円も発表された。


写真＝ソーラーパネルと蓄電池を整備する市武道館