福知山市認知症予防の会(村岡洋子代表、80人)が行政と一体となって普及に努めている認知症予防ゲームを学びたいと、滋賀県湖南市区長会(山村聰会長)の視察団41人が19日、福知山市民会館での模擬教室に参加した。湖南市でも認知症の人が増える傾向にあり、今後地域を挙げて予防に向けた取り組みを進める計画だという。
認知症予防の会は、09年4月に設立した。4人に1人が65歳以上と市の高齢化が進むなかで、認知症予防は大きな課題で、同年度から、行政とタイアップして予防ゲームをする「脳いきいき元気アップ教室」を、中学校区エリアを目安に年度ごとに巡回する形で開いている。教室終了後も独自に続ける地域が多く、実践グループは14に上っている。
それぞれ取り組んでいるのは「あかるく」「頭を使って」「あきらめない」の3つの頭文字のAから名づけた「スリーA方式」と呼ばれる予防ゲーム。脳活性化を図るように工夫された内容で、認知症の予防だけでなく、早期に発見された場合はかなりの確率で進行を食い止め、引き戻しもできると実証されているという。
視察団は、湖南市の大半の区長と谷畑英吾市長、同市職員で編成。山村会長は「全国では認知症患者が予備軍を含めると約800万人もいると聞きます。湖南市では予防の取り組みがなかなか進まないのが現状で、今回の視察で覚えた予防ゲームを持ち帰って、普及させたい」とあいさつした。
このあと、村岡代表が予防ゲームの特徴や教室を開くうえでの注意点を紹介。「ゲームを進めるなかで、スタッフが全員に目配りをし、全員が共感をもてるようにすることが大切」とし、「失敗しても本人もろとも笑える環境をつくり、今までできなかったことでも、そっと手助けをして、自分で乗り越えてできるようになったと思えるように仕向けることが必要。大切にされている、尊敬され本気で向き合ってもらっていると本人が気がつくことで、自信やプライドを取り戻すことにつながる」と語った。
■巧みな話術で笑顔絶えず■
模擬教室では、視察団のメンバーが、円形に置かれたいすに座って、スタッフに教わりながら、歌に合わせて手指、腕、肩などを動かすゲームに臨んだ。最初は戸惑い気味だった人も、会場を和ませるスタッフの巧みな話術で緊張が解けて、笑顔が絶えなかった。
写真=認知症予防ゲームを体験する湖南市の視察団員ら
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