1911年、明治44年生まれで現在102歳のおばあさんが、毎日、こつこつと手まりを作り続けている。福知山市夜久野町日置の西田ユカさんで、家族やデイサービスの仲間たちへ贈ることを楽しみに、針と糸を使い、心を込めて丁寧に作り上げていく。
子ども、孫、ひ孫に囲まれ、4世代で暮らし、週3日は地元の施設へデイサービスに通う。
子育てや仕事を終え、70歳くらいから市内の手芸教室で習い始めた。ペーパークラフトや貝殻を使った作品づくりなどにも挑戦してきた。
手まり作りは、プラスチックの丸い入れ物に小石やペットボトルのふた、もみ殻などを入れ、糸でくるくると巻く。糸を巻くのが一番大変で、一時間ほどはかかるという。針と糸を使い、デザインを縫っていき、カラカラと音の鳴るまん丸の手まりができあがる。
30人近くいるデイサービスの仲間のほぼ全員にプレゼントした。気に入って「もう一つおくれ」とリクエストし、何個か持っている人もいる。「人にもろてもらえるのが、とにかくうれしいです」と笑顔を見せる西田さん。
若い頃、運動が大好きだった。ゲートボールに没頭していた時期もあり、今も一人で歩ける。元気で長生きの秘けつは「何でもよく食べること」。家族と同じ量のごはんを食べ、3時のおやつも欠かさない。愛用の椅子の隣には、菓子がいっぱい詰まった缶を置き、制作の合間にも口を動かす。「いやしんぼなのかな」と恥ずかしそうに笑う。
もう一つの秘けつは「楽しみを持つこと」。年を重ねるごとに目が見えにくくなり、思うようにできないこともあるが、作ることに喜びを感じる。「今度は何を作ろうかと考えるのが楽しい。これからも続けていきたいです」と、せっせと手を動かしている。
写真=椅子に座り、毎日手まりを作り続けている西田さん
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