公判後に、保釈中の渡邉被告による記者会見が初めて開かれた。冒頭で「多数の死傷者を出してしまい、心から申し訳ないと思っています。刑務所で服役することだけが、償いだとは思っていません」と改めて頭を下げた。
渡邉被告は「事故を防ぐには、(携行缶の)ふたを開けなければ良かった」と振り返り、「携行缶を冷ましてから給油したり、ほかの露天商に(熱くなっていない)燃料を借りたりすることもできた」と悔やんだ。
また初公判で、遺族らの供述調書が読み上げられたことに対し、「もし妻が同じこと(被害者)になれば、遺族と同じ気持ちを自分も味わっていたと思う。それは、自分にも家族がいるから分かる」と語った。
被害者への償いについては、「できることがあれば、いろいろ努めていきたい」とし、次回公判の20日までに、事故現場の献花台に出向き、手を合わせる意向を示した。
これまで献花台に行けなかったのは、自身の足の治療を優先してしまったこと、車の手配が出来なかったからなどと説明し、「真っ先に行くべき場所だったと思う」と話した。
会見を開いた理由について、渡邉被告は「今回の事故は被害も大きいし、社会的に自分が話をしないと分かってもらえない。真実として、何があったか自分で伝えたいと思った」とした。
■「被告の発言から反省感じとれない」と被害者家族■
長男夫婦と孫の女児が大やけどを負い、治療を続けている福知山花火大会事故被害者の会の副会長、塩見幸和さん(68)=綾部市=は、初公判から傍聴を続けている。
今回の公判での発言について「被告は反省しているようには感じられない。一生かけて償うと言いながらも、自分のけがの治療に専念している。被害者への補償について考えることが先だと思う。法廷内での被告の言葉と行動は一致していない」と、いまの思いを語った。
写真=自責の念を口にする渡邉被告
[PR]
株式会社両丹日日新聞社 〒620-0055 京都府福知山市篠尾新町1-99 TEL0773-22-2688 FAX0773-22-3232
著作権
このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。