■国交省福知山 430億円かけ緊急対策■
昨年9月の台風18号水害による福知山市など沿川4市の浸水面積は、死者2人が出た2004年の台風23号より広かったことが明らかになった。一級河川・由良川の整備計画について意見を交わす「由良川流域懇談会」の第12回会合が4日、昭和新町の府立中丹勤労者福祉会館であり、由良川流域での出水状況が報告された。
台風被災後初めての会合で、委員9人が出席した。最初に国土交通省福知山河川国道事務所職員が出水状況を説明。雨は昨年9月15日から16日にかけておよそ一日半降り続き、由良川の上流域で降雨量が多かった−と話した。
水位については音無瀬橋下流の福知山観測所で16日午前6時20分ごろに計画高水位を超え、8時10分には8・3メートルの過去最高水位となった。その後水位は下がっていったが、11時20分ごろまで5時間にわたり計画高水位を上回る時間が続き、非常に危険な状態だったという。
また福知山市など沿川4市の浸水面積は2493ヘクタール(04年の台風23号時は2606ヘクタール)。水につかった家屋は1602戸(同1669戸)で、下流、中流部ともに堤防の無い区間で大きな被害が出たことを報告した。
このほか懇談会では、国土交通省が台風18号水害を踏まえ実施する緊急治水対策についても説明。事業費は約430億円で、舞鶴市の河口付近から綾部市私市町までの約45キロ区間が事業対象となる。
今回と04年の洪水で2度にわたって浸水した地域を対象に、おおむね10年以内で輪中堤などの整備を実施。このうち被害が甚大だった地域は優先的におおむね5年間で整備していくことを話した。
委員からは「この地域は9年間に2度被害を受けているので、ぜひ整備を急いでほしい」とした意見や、洪水で道路が寸断された場合の防災アクセス道の整備に対しての要望も出ていた。
写真=台風18号水害で濁流が押し寄せる由良川の音無瀬橋下流(昨年9月16日午前6時30分すぎ)
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